この夏、

子供の頃からの友人が他界しました。短い人生を力強く生ききった様な逝き方でした。

 

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【ひぐらし】
迎火のけぶり細紐撚るごとく
蜩の鳴く夕べ、迎え火を焚いてお盆さんをお迎えします。
ふるさとは八月がお盆月です

 

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【茄子の牛】
思ひ出の燃え尽きる迄門火焚く
お盆さんは胡瓜の馬ではやく来て、
茄子の牛でゆっくり帰ってといいます。
昔は祖父に手を引かれ、
おはぎなどとともにこの茄子や胡瓜を流しました

 

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【秋団扇】
蜩や誰に見せむと夕化粧
祭、盆踊り、灯籠流し…夕方からの化粧も肝心です。
ノーメークの時に限って行き会うのですよ…初恋の人とかに

 

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【流灯】
白き手の闇を掬ひて盆踊
ふるさとの送り盆は、盆踊り最中の公園を抜けて河原に下り、
読経の流れる中で灯籠を流します。
自分の流した灯籠が、他の灯籠と話でもするようにくっついたり
離れたりするのをずっとずっと見送ります

 

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【ヨーヨー】
思ひ出はそっとしまひてラムネ玉
灯籠流しの後はまた、坂道を登って
出店のひしめく盆踊りの公園に戻ります。
出店でよくラムネを買ってもらいました。
「夜だからお母さんには内緒だよ」と祖父には言われたものです