爪あとがあちこちに残り、
路肩の雪を崩して遊びながら小学生達が下校します。
寒さは今が底。日脚はしだいに伸びてきて、
庭先の福寿草も雪間から顔を出しました。
春はすぐそこまで来ています。
冬菜
ひとり居に水音響く寒戻り
ひとり台所に立つと、水道の音が妙に台所の
シンクに響いて虚しくなる瞬間があります
そんな日は寒さもひとしおです
仮面
窓ごしの月の細さよ冴返る
怪しいまでに細い月が闇夜を裂くように光る夜…
いつもと違うその人の一面を見てしまった夜
針坊主
猫柳日暮れて銀の灯をともす
日脚がながくなるとついつい仕事のきりがつきません
庭先の猫柳がもう日暮れを教えます
茶器
春浅し茶釜の湯気のやはらかく
湯気も季語ですが、ここは浅い春をメインに